ホメオスタシスという言葉をご存知ですか?
なるべく同じ状態に留まろうという性質のことです。
そうした性質のせいでしょうか、
人はなるべく同じやり方でやりたがるし、
同じレベルにとどまりたがるものなのです。
別の言葉ではそれをコンフォートゾーンとも呼びます。
自分がいて居心地のいい状態のことです。
けれど、本当に人は現状維持を好むものなのでしょうか?
そもそも、時はどんどん過ぎ去っていくのに、
現状維持ということが可能なのでしょうか?
「教育の神」といわれた森信三の言葉にこういうものがあります。
「人間には進歩か退歩かのいずれかがあって、その中間はない。
現状維持というのは実は退歩している証拠だ。」
確かに生物学的にはホメオスタシスという性質は
いろんなメリットがあるのだと思います。
それによって肉体の健康が維持されているからです。
けれど、なにかに取り組む時には
この性質に打ち勝たねばなりません。
ともすれば、人はサボりたがるし、
なるべく楽をする=同じやり方・状態に留まってしまうからです。
ぼくが和光無限授受の塾生だった頃、
塾長の神澤は「人は低きに流れる」とよく話していました。
(のちに攻殻機動隊からの引用と判明しましたが笑)
実際、多くの人が現状維持を求めて低きに流れ
その結果、退歩していっているのではないでしょうか?
だから、より善くあろうとするためには、
ちょっと勇気を出して行動を起こしてみることです。
何かを変えようとして行動を起こせば、
必ず何らかの変化が生じます。
それはときに良い変化であったり、
悪い変化だったりします。
けれども、どちらも進化なのです。
行動を起こしたということ、
それ自体があなたを次のステージへ引き上げてくれるのです。
確かに、結果だけみると
前のやり方でやったときよりも悪くなることもあるでしょう。
そこで諦めてしまって
前と同じやり方・状態に戻ろうとしてしまう人は多いものです。
でもそこでぐっとこらえて、
新しいやり方にさらに工夫をして、
今までとは別のやり方でやり続けてみてください。
すると、絶対に今までにない良い結果が訪れる日がやってきます。
ぐんと伸び上がるためには、一度ぐっと沈む必要があります。
力をためて踏ん張ることで
次へのエネルギーが生まれるのです。
たった一度の行動・変化で
すべてがうまくいくとは限りません。
そこでまた前と同じ状態に戻ろうとするのではなく、
居心地が悪い状態をもう少し続けてみるのです。
でなければ次のステージには進めません。
むしろ、進歩し続けない限り、
退歩していくしか道はないのです。