あなただけの学習法を創り出すために
とことん集中できる環境でがっつり勉強させる専門家、
“さみー”こと教室長の鈴木です。

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今日はなんとフィリピンの友達から
「現在形」(Present form)についての
記事をシェアしてほしいとお願いされたので、
久しぶりに「違いのわかる英文法」を書いてみようと思います。


では問題です。
次の英文で「ああ、納豆好きなのかなぁ?」って
感じられるのはどっちの人でしょう。

Sammy eats natto.

Joey is eating natto.



2つの文の違いは
「現在形」か「現在進行形」かの違いです。

和訳をするとすれば
「さみーは納豆を食べる」
「ジョーイは納豆を食べている」
となりますね。

多くの人は中学・高校で
現在形は「〜する」、進行形は「〜している」
といった具合に、和訳の仕方を習うと思います。

もちろん、それはそれでいいのですが、
英語というのは「和訳」を覚えたところで
実際に使えるようにはなりません。

最近は「英語の4技能」がとやかく言われていますが、
読むにせよ、書くにせよ、聞くにせよ、話すにせよ、
「コミュニケーションするため」に学ぶというのが
英語学習の目的だとぼくは思います。

コミュニケーションをするときに大切なのは
字面通りの意味ではなく、
その表現に流れるニュアンスです。

英語でコミュニケーションをしようとするときに、
「食べる」→現在形→eat natto
という流れ(日本語訳→文法→英語表現)で考えるのではなく、
そこで伝えたいニュアンスにあった英語表現を選択できる
「センス」が大切なんだと思います。




話が逸れましたが、
現在形と現在進行形は和訳が違うのではありません。
ニュアンスが違うのです。
それぞれみていきましょう。



現在形は「カチっと」した安定感や一体感があります。

例えばthe earth goes around the sun.というように、
いわゆる「不変の真理」を表すことがあります。
(なんじゃそりゃと思いますが
文法書にはこう書いてあることが多いんです泣
こんなん覚えなくていいですよ、意味ないんで)

つまり、「ふだんのこと」を表すのに適しているのが
現在形です。これがわかると
What do you do?が「お仕事は?」という意味になるのも
納得できると思います。
(ふだんから何をしますか?→仕事は?ですね。)

だから先ほどの文をわかりやすく和訳すると
「さみーは(ふだんから)納豆を食べる」となります。




では、進行形はどうでしょうか?
進行形は「イキイキと」した躍動感やリアリティが感じられる表現です。
そこから「途中」のことだったり、
「繰り返し」なんかを表したりできます。

よく間違えやすいのが

Sammy is dying.

進行形を「〜している」で覚えている人はこの文を
「さみーは死んでいる」と訳してしまいますが、
さみーはまだ死んでいません笑

dieというのは「生→死」という変化を表します。
その変化の途中なわけですから
「死につつある」というのがニュアンスですね。

さて、そうすると先ほどの文は
「ジョーイは納豆を食べている(途中)」という意味になります。
もぐもぐと(ねちょねちょ?笑)納豆を食べている
ジョーイの姿を想像してください。

というわけで
おそらくですが「納豆が好き」なのは
さみーでしょう。
ふだんから食べているのであれば
嫌いということはないと思います。

逆にジョーイはまだ食べている途中なので
好きかどうかはわかりません。


この違いがわかると
それぞれの文に対する応答も変わってきます。

「(ふだんから)食べるの」 と言われれば
「ああ、じゃあ今度おすすめのを紹介するわ」とか
「健康的なのねぇ」なんて会話につながりますね。

「食べている(途中)なの」と言われれば
「ああ、じゃぁ、またあとで」とか
「どう?おいしい?気に入った?」という会話になりますね。

細かい違いかもしれませんが
時制が違うだけで「和訳の違い」以上に、
ニュアンスの違いが生まれるのです。
そこからコミュニケーションの仕方が変わってくるのです。

コミュニケーションをするために英語を学ぶ人は
小難しい文法用語や分類以上に、
こういったニュアンスに注目してみてください。
その方が面白いし、幅が広がりますよ!


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