英語表現のニュアンスをきちんと掴んで、
外国人と堂々と英語で話す人材を育てる専門家、
サミーこと鈴木大樹です。

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英語の表現力が身につかない原因の一つに、
日本語訳を暗記するだけでおわってしまうというのがあります。
例えば、
進行形be +Vingは「~している」や
完了形have+Vp.p.[過去分詞]は
「~したところだ/~してしまった/ずっと~だ」といった感じに
訳し方を覚えることが文法の理解だと思っている人が多くいます。

もちろん、学校の定期テストや入試では「訳し方」が中心なので、
それに慣らされてしまうのは、ある程度は仕方のないことですし、
訳し方ももちろん必要なのですが、
こればっかりやっていると、覚えるものばかりで大変です。


問題を解いてみましょう。
次の文を訳してみてください。

「お前はもう死んでいる」

北斗の拳という漫画をご存知でしょうか?
これはケンシロウという主人公の名セリフですね。
これを英語にするとどうなるでしょう?

「~している」は進行形だから、
Yo'are already dying.

とやってしまうと間違いです。
なぜでしょうか?

進行形はとてもイキイキわくわくした表現です。
何かの動作の「途中」を表します。
そこでよく考えてもらいたいのが
die(死ぬ)という単語。
これは生きている状態→死んでいる状態への
変化を表す単語です。

なのでdieを進行形にすると、
生きている状態から死んでいる状態への「変化の途中」となります。
もうお分かりですね。
You're dyingは「死につつある」という意味で
まだ死んではいないのです。

正解は
You're already dead.

deadは「死んでいる状態」を表す形容詞です。
(ちなみに反対はalive「生きている」)
もう死んじゃっているのですからこっちの方が適切ですね。
実際に英語版の北斗の拳でもこのように英訳されています。

ちなみによく入試に出るのが
The bus is stopping.
stopは動→静の変化を表す動詞なので、
バスが「止まっている」ではなく
「止まりつつある」となるわけです。


これを"進行形には「~しつつある」という訳し方がある"
と習ったのでは理解度が全然違ってくるのではないでしょうか?

各表現の核となるニュアンスをきちんと押さえた上で
いろんな訳し方をみていくと
ストンと落ちてきますし、応用も効くようになります。

色んな訳し方や意味がある表現は
なるべくそれらの共通点を探し出して、
核となるイメージをつかんで見てください。

それではみなさん、良い1日を
Have a nice day!